GAME、一日たってのレヴュー。

GAME(DVD付) 【初回限定盤】

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懲りずにGAMEの紹介です。
興奮も冷めたところで(?)アルバム構成&全曲レヴューをやってみます。
 
1.ポリリズム
Perfume出世作となったポリリズムNHKのリサイクルCM(?)とは歌詞が微妙に違うので要注意です。
サビだけ聴くとフロア仕様のJPOPですが、この曲の本当のすごさは間奏・後奏にあり、です。
3拍子、4拍子、5拍子が同時に鳴る変態構成。シングル買ったときはぶったまげました。
c/wのseventh heavenは本当にいい曲だったのですが、このアルバムの雰囲気には合わないためか選外になっています。つーわけでポリリズムのシングルはいまからでも買ったほうがいいですよ。
 
2.plastic smile
L.D.K.の頃のcapsuleか、コルテモニカあたりでやっていそうなハウスミュージック。
アルバムを頭から聴くと、「こんな曲をアイドルにやらせるのかw」と吹き出すこと必至です。
"yeh"ってブレスがかわいい。
 
3.GAME
capsuleのSugarless GiRLに入っていそう、というか実はSugarless GiRLの選外曲なんじゃねぇの?と疑いたくなる(笑)、バッキバキソング。
plastic smileからの流れで、「もう何を出されても驚かない」という心構えが出来ることでしょう。
曲の出来は、同アルバムに入っていたらstarry sky、Sugarless GiRLに次いでいただったろうなぁ、って感じ。つまり名曲。
このあたりで、最初は衝撃だったポリリズムが普通の曲だと思えてきます。
 
4.Baby cruising Love
1,2,3と続いたマニアックな構成を和らげるために入っている、一応シングルA面曲。
シングルで出たときには「とびきり上質のJPOP」だったのが、アルバムの中では緩衝材になっています。
多分中田は、この曲作るときには既にアルバムの構想があって、「ここでこの曲シングル切ったらリスナーは混乱するだろうなぁ、うふふ」とか思ってやったんだろうなぁ、と妄想。
 
5.チョコレイト・ディスコ
Perfumeブレイクのきっかけを作った曲。
俺を含む多くの人は、動画サイトか着うたでした聴けなかったため、このアルバム発売のニュースの際に最も注目されていた曲です。
音質が悪かったときは気づかなかったけど、コーラスが絶品。彼女らが歌ってるわけではなく、ヴォコーダーのなせる技なんだけどね、多分。
あと、一瞬曲が止まった後のブレイクが最高。
 
6.マカロニ
Tr4の、事実上のB面曲にて多分、アルバム中最もPerfumeの3人がフィーチャーされてる曲。
彼女らの声の魅力を堪能できる、アダルト・コンテンポラリーっぽさが心地良い。
限定版についている3人それぞれのPVは要チェックです。
4,5,6の三曲で、緊張をほぐす感じの構成なんだと思う。
 
7.セラミックガール
アルバムの新曲の中では、最も早く世間にお披露目された曲。
いままでのPerfumeは、「こんな曲をアイドルに歌わせるのかw」というサプライズが多かったわけですが、本作は「ガールズテクノポップ」というジャンルがあるとすれば、その王道を行く直球ソング。
ファンの「こんな曲できたらいいな」っていう希望の具現みたいな曲で、ある意味ファンサービス。
新しくファンになる人は、ここから入るのがいいかも。もちろん古くからのPerfumeファンor中田ファンも大満足のアッパーソング。
曲名から初期capsuleの名曲を連想したファン多し。
 
8.Take me Take me
Daft Punkっぽいイントロから始まる、GAMEと並ぶ「実はこれcapsule用の曲じゃね?」疑惑の曲。
FLASH BACKに入ってたら、きっとEternity、ELMLに次ぐ曲に(以下略)。
艶っぽい声で攻める、アダルトな曲です。
 
9.シークレットシークレット
PINOのCMの曲。こんなマニアックで大丈夫かw。フェードアウトするイントロがのっけから意味解らないw。
Perfumeか中田が好きな人なら間違いなく好きになる、ファンの希望具現化ソング第2弾。
キャッチーなメロディにマニアックなアレンジ。セラミックガールが直球なら、この曲は球速もあってよく曲がる変化球かしら。
曲の一番最後のサビでようやく普通になるベース進行や、続け様それまでよりワンテンポ早く入ってくるアウトロメロディにキュンと来ない奴はいないはず。
 
10.Butterfly
異国情緒あるれる意欲作。トルコ系というか、シルクロード的というか。
楽曲云々というより、Perfumeのダンスに期待して作った曲だと思う。きっとクネクネ踊るんだろうなぁ。
 
11.Twinkle Snow Powdery Snow
配信限定曲、もしくはチョコレイト・ディスコのB面。つまり、高音質版はいままでレア音源でした。
曲名に反して、アルバムの中では一番フロアで踊りやすい曲かも。
疾走感あるれるテクノポップ
すごいいい曲なんだよ。でも、このアルバムの中では印象が薄くなってしまう。
 
12.Puppy love
アルバムの最後を飾る、ぶっといエレキベースの無骨な音が印象的な、これまでの曲とは一味も二味も違うポップンロール。
バンプオブチキンの「天体観測」あたりが近いかな。サビのメロディがまんま。古くはWham!ラストクリスマスや、安全地帯の悲しみにさよならにも使われた伝統的メロディ。
情報が出ていなかったせいもあるけど、個人的に一番驚いたのがこの曲だったりします。テクノのテの字も無い。キーボーディストのいるバンドだったら平気でやりそうな曲。
中田が全作品を通じて、始めて見せた引き出しの様な気がする。これは全く想像してなかった。
それでいて、完成度が半端無い。アルバムの中で最高の曲かもしれない。この曲が最後にあることで、アルバム全体に締まった印象を与えている。
この曲が、capsuleによくある次のアルバムの予告なのか、それともこれからも突っ走っていく決意の宣言なのか、実はなんの意味も無いのかは分からないけど、この曲でPerfumeは新たな、本人たちが想像しなかったステージに上がったと思う。
 
 
捨て曲が無いどころではなく、全曲並みのアルバムならメインを張れる楽曲だし、ほとんどの曲は「この曲以外は駄作、とかでもアルバム買う」レベルの曲です。
多くのブログに見られる「こんな凄いアルバム作って、大丈夫なのか?と逆に心配してしまう」という意見や、宇多丸氏の「良すぎて死ぬかと思った」という意見に、俺も全面的に賛同します。
多分今俺たちは、後の世代の音楽ファンに羨ましがられる、伝説の瞬間に立ち会っているんだと、確信しています。
願わくば、俺がおじさんになる頃、このアルバムが「00年代を代表する名盤」と、正しく評価されていることを。
YMOの"Solid State Surviver"、Flipper's Guitarの"Camera Talk"の様に、「JPOPの歴史を変えたアルバム」として語り継がれることを。
そして、Perfume中田ヤスタカが、このアルバムが霞むほどの作品を出していってくれることを。